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「君津環境整備センター」のⅣ期増設計画を阻止するために

野々山 登

目次

1.はじめに

久留里の街から南東方向5~6Kmの山間部の水源地に築かれた廃棄物最終処分場「君津環境整備センター」(以下、本処分場)のⅠ期埋立地では、平成24年に漏洩事故が発覚し改善を求める勧告が出されていますが、いまだに本格的な改善が行われていないため搬入停止となっています。また、昨年(令和6年)Ⅲ期埋立地(Ⅲ-2)が完成し、今後約20年間、大量の廃棄物が搬入され埋立てられることとなりました。

このような状況において、本年(令和7年)、なんとこれまでの埋立地と比較して最も大きな容量となるⅣ期増設計画(埋立容量266万㎥)が提出され、環境影響評価手続きが始まりました。

このまま環境影響評価手続きが終了し県から許可が出されると、山間部の廃棄物処分場としては全国で最大級となる民間事業者による巨大廃棄物処分場が、君津地区の水道及び名水とし広く知られている久留里の自噴井戸群の水源地に建設され、今後ほぼ40年間、県内外から廃棄物が搬入され埋立てられることとなります。

この現状を理解していただき、多くの住民の方々が本処分場のⅣ期増設計画に反対の意思を示し、建設反対の意見書を提出している君津市等と協力して増設計画を断念させなければなりません。

2.Ⅳ期増設計画の手続き状況

本処分場のⅣ期増設計画概要が新井総合施設株式会社(以下、新井総合)により千葉県に提出され、千葉県環境影響評価条例に基づき令和7年1月31日に県のホームページ等により発表(公告)されました。これにより、環境影響評価方法書手続きが令和7年2月28日に公告され、君津市及び市原市において住民を対象とした説明会(計4回)が行われました。この説明会には、久留里地区の住民の方だけでなく君津市、市原市、木更津市、袖ヶ浦市などより多数の方が出席されました。

参加された方々からは、以下のように増設反対に関する意見が多数出されました。

  • 名水として知られている久留里の地下水及び君津地区4市他の水道の水源地に巨大な廃棄物処分場を建設すべきではない。
  • Ⅰ期処分場で平成24年に発生した漏洩に関する本格的な改善がいまだになされていないため、改善を優先すべきである。
  • Ⅰ~Ⅲ期までで埋立容量は約400万㎥と巨大であり、さらに266万㎥の処分場を増設することはこの地域の環境汚染のリスクを著しく拡大することとなる。

また、住民等による意見提出、環境影響評価委員会による答申、君津市、市原市長及び知事からの意見等が出されています。

今後このまま手続きが進行すると、環境影響評価法に基づき環境影響評価(調査・予測・評価、環境保全処置の検討等)、事業計画決定、許認可手続きが行われ、約3年間の建設工事後に事業の実施(処分場への廃棄物の搬入・埋立)が行われることとなります。

3.Ⅳ期埋立地を含めると内陸型としては全国最大級の規模となる

本処分場は2004年に廃棄物の埋立てを開始したⅠ期、埋立を終了したⅡ期及び昨年より本格的に廃棄物を搬入・埋立てを行っているⅢ期に加えて、今回増設計画が出されたⅣ期を含めると廃棄物の埋立容量は692万㎥となります。

これは、屋根付き球場として知られている東京ドームの約5.5倍の容量に相当します。また、全国から今後約40年間、膨大な廃棄物が廃棄物運搬車により名水の里として知られている久留里の水源地に搬入・埋立てされることとなります。

千葉県内の民間事業者による大規模な廃棄物処分場としては、銚子市小浜町つくろ最終処分場(千葉産業クリーン㈱、埋立容量186万㎥)、大塚山処分場(太平興産㈱、埋立容量117万㎥)などがありますが、本処分場はこれらと比較しても格段に大規模であり、約700万㎥の埋立容量は内陸型処分場としては全国でも最大級の規模となります。

表-1.本処分場の埋立容量及び埋立年数

項目全体既設増設(Ⅳ期)
埋立容量(万㎥)692426266
埋立年数(年)約60約38〜約20

廃棄物処分場の建設・運営は、本処分場のように民間事業者及び自治体(市町村長等)、地方公共団体と民間企業との共同出資による第三セクターが行うのが一般的です。

自治体及び第三セクターが廃棄物処分を計画・建設する場合は、用地選定に住民の意見及び漏洩による周辺環境汚染の影響・災害リスク等を考慮して決定します。当然、名水として知られている貴重な地下水及び数十万人が使用する水道等の水源地は当初から建設用地の候補から除外されることとなります。

本処分場は新井総合(民間事業者)が主体となって計画されており、各種有害物質を大量に含有する廃棄物を埋立て、安定化の過程で有害な浸出水が発生する巨大な管理型廃棄物処分場であるにもかかわらず、このような用地選定に関する配慮が十分行われていないことが根本的な問題点となっています。

4.本処分場で埋立対象となる廃棄物について

本処分場は管理型最終処分場であり、搬入・埋立て対象となる産業廃棄物及び一般廃棄物は、重金属等の有害物質を大量に含有しています。埋立てた廃棄物は微生物による分解などにより安定化する段階で高濃度の汚濁物質を含有する浸出水が発生するため、漏洩を防ぐために底面及び側壁部に遮水工を施し、浸出水処理施設により排水を基準値以下に処理することが義務付けられています。

管理型最終処分場は分解速度が嫌気性微生物よりも速い好気性微生物の働きにより迅速(10~20年程度)に安定化が図れるように、埋立てた廃棄物層に空気が入り込むように大口径の排水管及びガス抜き管等を設置して、保有水が滞留しないようにした準好気性埋立構造となっています。また、準好気性埋立構造を適切に維持・管理することは県による本処分場の許可条件となっています。

埋立てる廃棄物は各種重金属(カドミウム、クロム、水銀等)やダイオキシン類、有機フッ素化合物(PFAS)などの有害化合物を含む廃棄物や腐敗(微生物による分解)し易い有機性汚泥、動物性残渣及び放射性物質を大量に含む廃棄物(特定一般廃棄物)などが対象となります。したがって、処分場の天端部及び法面から降雨水が浸み込んで発生する浸出水は各種有害物及び生物化学的酸素要求量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)などの汚濁原因となる有機化合物等を大量に含有しているため、処分場の遮水層の破損や土堰堤等からの流出(漏出)による地下水及び河川水の汚染が危惧されます。

表-2.処分場の種類及び埋立廃棄物の概要

         項目          内容
処分場の種類管理型最終処分場
埋立対象物産業廃棄物及び一般廃棄物(燃え殻、ばいじん、汚泥、金属くず、動物性残渣、鉱さい、がれき類他)
含有有害物重金属(カドミウム、水銀、六価クロム、鉛等)、ダイオキシン類、PFAS、放射性物質含有物(特定一般廃棄物)など

5.巨大廃棄物処分場には適していない土堰堤積み重ね方式を採用

本処分場は既設のⅠ、Ⅱ、Ⅲ期及び今回増設計画が提出されたⅣ期埋立地を含めてほぼ同じ構造で、底面及び山側の側面を掘削して二重の遮水シート等(遮水工)を施し、谷側側面は廃棄物の埋立てが進むとともに土堰堤を高さ数十m(Ⅰ期埋立地は約二十段、高さ約50m)積み重ねることにより構築されています。

この構造は特に土堰堤部分(主に底面)の遮水性を確保しにくく、高く埋立てた廃棄物の物性(密度、強度、硬さ等)が不均一であること及び積み重ねられた土堰堤はコンクリート擁壁に比べ横方向に働く力に対して弱く、構造的に不安定で土堰堤崩壊の危険性が高いという特性があります。

すなわち、本処分場は建設地の山並みの傾斜面にあたかも棚田のように階段状に築かれています。山間部の狭い谷間の窪み(凹み部)を利用して谷側部分にコンクリートなどにより擁壁を築く一般的で安定した構造ではないため、土堰堤で構築した谷側側面が漏洩及び崩壊しやすい構造であり、大規模廃棄物処分場の建設に適していないという本質的な問題を有しています。

図-1.第Ⅳ期埋立地の計画地を含む平面図

6.本処分場の位置と久留里の自噴井戸群及び水道関連施設との関係

本処分場は君津市内の久留里の街から南東方向に5~6Kmほどの標高約200mの山並みの西側斜面に築かれています。また、本処分場は小櫃川の支流である御腹川の源流部分に位置しています。小櫃川の下流には「かずさ水道広域連合企業団」の大寺浄水場(処理能力135,000㎥/日)及び十日市場浄水場(処理能力60,000㎥/日)があり、君津地区4市(君津市、木更津市、袖ヶ浦市、富津市)他、千葉県営水道にも水道用水を供給しています。

久留里地区の自噴井戸群から常に湧き出ている地下水は名水として知られ、農業(稲作、花卉等の栽培等)、酒造及び豆腐などの食品製造に使用されるなど歴史的文化的遺産として大切にされてきました。また、「平成の名水百選」に選ばれたことから、近年は県内外から名水の里の見学に多くの人が訪れ観光的にも貴重な存在となっています。

久留里地区の自噴井戸は深い井戸では、深さ600~700mから地下水が湧き出しています。この部分は透水性が比較的高い地層「梅ヶ瀬層」があり、東側の小高い山の部分で露出しており東京湾方向に緩やかに下方向に傾斜しています。本処分場はこの「梅ヶ瀬層」が露出している山並みの頂上部分に位置しています。したがって、処分場から有害物質を含む保有水が漏出すれば、これらの地下水を汚染することとなります。

図-2.本処分場、久留里の自噴井戸及び浄水場の位置関係

処分場が築かれている地域の地下水は北西(久留里方向)に流れていることが確認されています。

また、現地での自噴井戸群の分布・噴出水量、水頭調査等に基づいて実施したシミュレーションにより、漏洩した保有水が久留里地区を通過して自噴井戸群を汚染することが判明しています。

図-3.本処分場及び久留里の自噴井戸の地質断面図

7.Ⅳ期増設計画の工程に関する重大な疑問

新井総合が提出したⅣ期増設計画書「君津環境整備センター第Ⅳ期増設事業に係る環境影響評価方法書」(令和7年2月)における基本工程には以下のように大きな矛盾があることが判明してきました。(図-4参照)

既設(Ⅰ~Ⅲ期)埋立地及び増設(Ⅳ期)埋立地の廃棄物埋立期間は約60年とされています。一方、Ⅰ期埋立地の埋立開始は2004年であることから、増設するⅣ期埋立地の埋立終了は60年後の2064年となります。また、Ⅳ期埋立地の廃棄物埋立期間は約20年とされているため、Ⅳ期処分場が完成し廃棄物の埋立開始は2044年頃となります。

本年(2025年)開始された環境影響評価手続きはⅢ期増設においては約2年半かかっています。また、Ⅳ期処分場の建設工事は本計画書では約3年とされています。したがって、順調に手続き及び建設工事が進めば2031年頃にはⅣ期の増設が完了となります。

図-4.Ⅳ期増設基本工程の概要

一方、基本工程においてⅣ期埋立地の埋立開始は2044年頃であることから、ほぼ13年の空白期間が存在することとなります。なぜこのような、基本工程に矛盾が存在しているのかについては、住民を対象とした説明会での質問においても明確な回答はありませんでした。

8.Ⅳ期増設に伴う浸出水処理施設計画にⅠ期埋立地の改善工事が考慮されていない

Ⅳ期増設計画においては浸出水量がこれまで以上に増加するため既設の浸出水調整槽容量45,000㎥に加え、新たに容量20,000㎥の浸出水調整槽を新設することとなっています。ただし、浸出水処理施設は既存施設(処理能力800㎥/日)を使用し、新たな浸出水処理施設を増設することとなっていません。

Ⅰ~Ⅳ期の各廃棄物埋立地は建設中、埋立中、埋立終了、改善工事中などにより降雨水の浸透量を示す浸出係数が異なります。埋立が終了した埋立地は厚さ1mほどの土壌等によりキャッピングを行うため浸出係数は小さく浸出係数0.10、埋立中は浸出係数が大きく浸出係数0.75で計算されます。

表−3.浸出水処理施設能力算出の根拠

    項目   能力、数値     コメント
進出水処理能力800㎥/日既存施設(増設無し)
浸出水調整槽容量65,000㎥既設(45,000㎥)、増設(20,000㎥)
滲出係数Ⅰ期埋立地:0.3
Ⅱ、Ⅲ-1期:0.1
Ⅲ-2、Ⅳ埋立地:0.75
Ⅱ期及びⅢ期-1埋立地は埋立終了、Ⅲ期-2埋立地は埋立中、Ⅰ期埋立地は現状のまま

搬入停止勧告を受けており、早急に改善しなければならないⅠ期埋立地は掘削等を伴う本格的な改善工事においては、埋立中に相当する事となるため浸出係数は大きくなるべきですが、本増設計画の各段階において浸出係数は現状の0.3であり、改善工事により浸出水が増加することが考慮されていません。

すなわち、Ⅳ期増設に伴う環境影響評価手続き、建設工事、廃棄物の埋立期間における浸出水の処理施設の計画では、Ⅰ期埋立地の本格的な改善対策は具体的に検討されていないこととなります。

9.Ⅰ期埋立地は平成24年漏洩事故が発生したが現在も改善がなされていない

Ⅰ期埋立地は平成24年に県職員の立入調査により土堰堤法尻部分から大量の保有水が埋立地外部に漏出したことが発覚しました。さらに、複数の観測井戸から採取した地下水の塩化物イオン濃度及び電気伝導率の著しい上昇及び千葉県環境研究センターによる臭素及び有機フッ素化合物(PFAS)の詳細な測定により保有水が廃棄物埋立地から漏出したことが学術的にも明らかとなりました。

このため、県よりⅠ期埋立地に対して廃棄物の搬入停止及び早急に改善を行うように勧告が出されていますが、13年経過した現在においても依然として本格的な改善がなされていません。

埋立地の周辺に設置された観測井戸及び地下集水施設では定期的(1回/月)に地下水を採取して保有水の漏出の指標である塩化物イオン及び電気伝導率が測定され県のホームページで公表されています。

2013年以降の各年度におけるⅠ期埋立地周辺の観測井戸等から採取した地下水の塩化物イオン濃度の最高値は数百mg/Lであり、汚染の影響を受けていない本処分場の敷地内にある飲用井戸原水(10mg/L以下)と比較して著しく高い値を継続的に示しています。

図-6.Ⅰ期埋立地の断面及び保有水水位等の概要

また、保有水水位は依然として著しく高く、谷側側壁を構成している積み立てられた土堰堤の底面には遮水シートが無いため大量の保有水(22㎥/日:平成28年のデータ)が自然流下水として土堰堤外部に漏洩しています。

この対策として新井総合は土堰堤法尻で遮水シートを折り返し内部に多孔質な排水管を設置して捕集していると主張していますが、埋立地を覆うように一時的に施している遮水シートは接続部が密着されておらず法面のいたるところに大きな樹木があり、根元は当然開放しているため降雨時に流量が大きく変動することなどから全量捕集できず一部は漏れていると考えられます。

廃棄物処分場としての抜本的な改善は必須であり、土堰堤を改善し遮水シートを連続して施す等の対策が必要であることは明らかです。

10.本処分場でのこれまでのトラブル発生状況及び県の対応

本処分場は2004年にⅠ期埋立地において廃棄物の埋立てを開始して以来、重大なトラブルを度々起こしています。2006年にはⅠ期埋立地から降雨水が廃棄物層に浸透して発生する浸出水を処理施設で処理するために一時的に貯留する浸出水調整槽が満水となり、埋立地に浸出水を貯留する異常事態が発生しました。

この異常事態では最大12,000㎥の浸出水を約2年間埋立地に貯留することとなり、埋立地はあたかも膨大な貯水池のような状態が継続しました。

これは、降雨量の予測のために必要となる過去の降雨量データとして最も近い坂畑観測所(君津市)の降雨データを使用せず、本処分場建設地のある君津地区山間部より降雨量が著しく少ない千葉観測所(千葉市)の数値を使用して施設を計画したため浸出水調整槽の容量が不足したことが原因となりました。

2010年には保有水水位が異常に高いことが判明し、保有水水位を低下させるように指導が出されています。この指導に対して新井総合は有効な改善を行うことが無く、2012年には県職員の立入調査により主に土堰堤、ガス抜き管から保有水が溢れたことによる漏出及び保有水水位の上昇(約40m以上)などが発覚しました。

このように致命的なトラブルが多数発生しており、幾度も改善を求める指導・勧告が出されていますが、新井総合は有効な改善を行うことがなくⅠ期埋立地は廃棄物の搬入停止が、現在においても継続しています。

11.Ⅳ期埋立地増設に対する君津市の対応等について

石井宏子君津市長が本Ⅳ期増設の許可権者である熊谷俊人千葉県知事に提出(令和7年5月27日)した「君津環境整備センター第Ⅳ期増設事業に係る環境影響評価方法書に対する意見について(回答)」には以下のように、Ⅳ期増設事業について反対の意見が記載されています。

[・・第1期処分場の改善工事の進捗が現在までほとんど図られていないことに加え、大規模な第3の2の2処分場が令和6年9月に稼働してから僅か3か月程度しか経過していない中、同社として最大規模となる第4期増設事業の手続きが開始されたことは、本市の自然環境や生活環境に重大な影響が懸念され、市民の安全・安心が脅かされるものであり、当該増設事業については反対である。](君津市長の意見の一部を抜粋)

このように、Ⅳ期増設に対して当該施設の所在地である君津市長が反対の意思を明確に示したことは、地域住民の意見を反映したものであり千葉県環境影響評価委員会、県議会及び市議会議員の方々にも重く受け止められています。

また、現在実施している上記のⅣ期増設に関する建設反対の署名活動にも多くの賛同が得られています。このようにⅣ期増設反対に関しては君津市民だけでなく当該建設地を水道水源としている君津地区4市(君津市、木更津市、袖ケ浦市、富津市)などに居住している多くの方々の意見であることは疑いありません。

また、法的にも水道法において安全な水道を供給する責任は原則として市町村長にあり、このような環境汚染が発生する危険性がある施設の建設許可についても権限を有しているとの解釈が、近年多くの法律の専門家で唱えられています。

安全な水道水を供給する責任を持つ市町村が廃棄物処分場の建設許可に対して反対の意思を示していることは無視できないことは明らかであり、県は廃棄物処分場の許可を環境影響評価結果による周辺の環境影響を大きく損なわないとの曖昧な評価により判断することは間違いと言わざるを得ません。

12.おわりに

新井総合が本処分場のⅣ期増設計画を県に提出し環境影響評価の手続きを開始したことは、久留里地区の地下水及び君津地区の水道水源を保全するために活動している我々としては非常に大きな驚きであり、水源地を重金属及びダイオキシン類など有害物による汚染から守ることに対するさらなる危機意識を強力に与えることとなりました。

これまでに説明してきたように本処分場は、建設用地選定及び気象(降雨量等)・地形、処分場の構造など基本的事項に大きな問題を有していることは明らかです。

これらの本処分場が不適格と考えられる要素を下記に示します。

(1).建設用地の地形面からの問題

埋立地の基本形状が掘削した山(標高200m程度)の斜面を処分場の側壁とし谷側に土堰堤を積み重ねた構造であり、廃棄物を高く埋立てることとなり大規模処分場としては構造的に不安定で汚染水漏洩の危険性が大きい。

(2).水道及び久留里地区の名水である地下水の水源地に建設されている

本処分場は久留里地区から5kmほどの御腹川の源流部分であり、君津地区4市他の水道及び名水として知られ貴重な文化遺産である久留里地区の自噴井戸群の水源地に建設されているため保有水の漏洩が水道及び地下水汚染に直接的に影響を与えることとなる。

(3).内陸型廃棄物処分場としては全国的にも最大級の規模であり地域の環境汚染リスクが集中することとなる

Ⅳ期増設を含めると埋立容量は約700万㎥となり民間事業者による内陸型廃棄物処分場としては全国的にも最大級であり、今後約40年間の長期にわたり県内外から大量の廃棄物が運び込まれることとなり、廃棄物の広域移動及び環境汚染等のリスクが一部地域に集中することとなる。

(4).既設埋立地は重大な欠陥を有しており改善を求める勧告にもかかわらず改善されていない

Ⅰ期埋立地は平成24年の漏洩事故発覚に対して県より改善を求める勧告が出されているが、現在においても改善ができず本格的な改善の見通しも明らかになっていない。このような重大なトラブルに対する適切な対応ができない事業者が更にⅣ期増設を計画し事業を継続することは許されることではない。

廃棄物処分場は我々の生活及び経済活動から発生する廃棄物(ごみ及び産業廃棄物)を安全に処分するためには必要な施設だが、一方で建設地周辺の環境汚染を引き起こすことが危惧されることとなる。したがって、廃棄物処分場の計画及び建設においては安全で環境汚染の影響を少なくすることを最優先とすべきであるが、本処分場はこれらの考慮が全く生かされていない。このような利益を優先し環境汚染が十分に考慮できていない巨大廃棄物処分場の増設計画は許されるものではなく、水源地の水道を使用している多くの住民の方々及び建設反対を明確にしている君津市他の力を結集して増設計画を阻止しなければならない。

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