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地球は冷えて死の惑星にならなかったのは何故か?

西沢昭裕(市原市在住)

アルフレート・ヴェゲナー
大陸移動説を提唱したドイツの気象学者・地球物理学者

ドイツのヴェーゲナー(1880~1930)が大陸移動説を発表したのは1912年である。

ゴッホの絵が生前は売れなかったように、この大陸移動説もヴェーゲナーの生存中は一顧だにされなかったという。

テキスト ボックス: アルフレート・ヴェゲナー
大陸移動説を提唱したドイツの気象学者・地球物理学者
南アメリカ大陸東岸とアフリカ大陸西岸がぴったり一致するというヴェーゲナーの直感も、大陸を動かす巨大なエネルギーの説明がつかなかったのだ。地球誕生時からの残り熱や月と太陽による地球の潮汐摩擦熱、それに太陽から地球に来る熱では全く足りないのである。

ヴェーゲナーより、50年ほど前にイギリスのケルヴィン卿(1824~1907)が、地球は熱く溶解した状態で誕生し、地球表面だけが冷却した現在の状態になるのに、2000万年~4億年がかかったと熱伝導理論から試算を発表したが、生命進化や大山脈の地層形成プロセスからダーウィン(1809~1882)や地質学者たちはケルヴィン卿の推論には地球の歴史はもっと古いはずだと強い違和感をもった。地球の内部には、まだ人類が知らない大きな熱源があって、地球の歴史はケルヴィン卿の推測よりもはるかに古いのではないか、と考えたのである。

南アメリカ大陸東岸とアフリカ大陸西岸がぴったり一致するというヴェーゲナーの直感も、大陸を動かす巨大なエネルギーの説明がつかなかったのだ。地球誕生時からの残り熱や月と太陽による地球の潮汐摩擦熱、それに太陽から地球に来る熱では全く足りないのである。

ヴェーゲナーより、50年ほど前にイギリスのケルヴィン卿(1824~1907)が、地球は熱く溶解した状態で誕生し、地球表面だけが冷却した現在の状態になるのに、2000万年~4億年がかかったと熱伝導理論から試算を発表したが、生命進化や大山脈の地層形成プロセスからダーウィン(1809~1882)や地質学者たちはケルヴィン卿の推論には地球の歴史はもっと古いはずだと強い違和感をもった。地球の内部には、まだ人類が知らない大きな熱源があって、地球の歴史はケルヴィン卿の推測よりもはるかに古いのではないか、と考えたのである。

一方ドイツ人レントゲンが1895年にX線を発見した翌年の1896年に、フランス人のアンリ・ベクレル(1852~1908)がウランの放つ放射線を発見した。

さらにポーランド出身のマリー(1867~1934)がフランス人ピエール・キュリー(1859~1906)と結婚し、夫妻は原子崩壊を起こす放射性元素ラジウムとポロニウム(帝政ロシアの支配下にあった祖国ポーランド解放をねがってポロニウムと命名)を1898年に発見する。夫の死後、マリー・キュリーが大量の瀝青からラジウムの分離抽出に成功したのは1911年。この1911年はヴェーゲナーが大陸移動説を発表した1912年の前年のことなのである。

 ナチスドイツよりも先に放射性元素ウランによる核分裂爆弾をアメリカが大急ぎでつくるというマンハッタン計画が採用されて、キュリー夫妻のラジウム発見から、実にわずか40数年でアメリカは原爆開発に成功し、すでにナチスドイツは敗北しているのに広島と長崎の市民の上に人類史上初の核爆弾を投下してしまった。

この恐るべき巨大な核エネルギー放出を目の当たりにした地球物理学者たちは、大陸移動の熱源の多くが地球誕生のときからの「残り熱」よりも、地球内部の放射性元素の崩壊熱ではないかと当然注目することになる。

地球誕生のときの熱は宇宙にしだいに放散していくが、地球が冷え切って死の惑星にならないのは、地球内部には、数10億年~100億年という極めて長い半減期で崩壊熱が大きいK40、U238、U235、Th232という放射性元素があることに地球物理学者は気がついたのである。

さらにこれらの半減期から逆算し、隕石との比較放射性年代測定法で1960年ごろには、地球は約45億5000万年前に誕生したに違いないと算出されることになった。(今のわれわれ、ホモ・サピエンスこと現生人類はいつごろ原人から分化したのか諸説があるが、仮に約20万年前とすると、地球の歴史を仮に一年にしてみると大晦日の日付がかわる3分まえに現生人類は誕生したことになる)

こうして、ヴェーゲナーの大陸移動説の正しさが劇的に証明された。(大西洋をはさむ南米とアフリカの両大陸の古地磁気の方向一致も大きな傍証になった)

地球内部の放射性物質の崩壊熱から絶えず供給される熱を主なエネルギー源としてのマントルの対流で、ゆで卵のヒビの入った殻のような地殻プレートの上に乗っている大陸が移動していること、いわゆる「プレートテクトニクス理論」の正しさも1960年代後半に証明されることになった。これで巨大地震発生のメカニズムも明らかになったことはいうまでもない。まだほんの60年足らず前のことだ。

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